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推薦図書

私が読んだ本の中から推薦できる図書を紹介しています

社会心理学全般


  • 田島司 2012 社会心理学のストーリー―無人島から現代社会まで ナカニシヤ出版 1,680円
     社会心理学の様々なトピックスについて日常場面を例示しならが平易なことばで紹介されています.社会心理学の実験の多くは細かな手続きでなされていて,きちんと説明すると複雑になってしまってわかりにくいものです.しかし,本書では実験の概略を重要なポイントだけにしぼって簡潔に書かれているのでとてもわかりやくなっています.そのためスラスラと読めてしまいます.
     さらに,多くのトピックが4コマ漫画で説明されており,とてもイメージがつかみやすくなっています.この漫画はイラストレータが描いたのではなく,著者自身が描かれているということです.4コマにまとめあげるのはかなり大変なことだと想像される上,著者のイメージした通りにはイラストレータが描けないことがよくあります.しかし,本書では,著者自身が描いているため,重要なポイントをはずすことなく,うまくまとめられています.
     また,章立てが無人島での一人の場面を想定したところから始まって,人との関わりが深くなっていくというストーリー仕立てになっているのはとてもユニークです.そして,そのストーリーが社会心理学の体系となっているところは見事です.
     気軽に読める社会心理学の入門書としてお薦めです.

  • 中谷内一也 2008 安全。でも、安心できない… ちくま新書 735円
     人はどのようにして「安心」だと感じられるのかを社会心理学の観点から,筆者自身の実証的研究に基づいて,わかりやすく説明されています.企業や組織が提供するモノが安心できるかどうかは,提供するモノが客観的に安全であることも大事ですが,それ以上に,企業や組織が信頼されるかどうかが重要です.その信頼は,専門的・技術的能力を持っているか,公正で誠実な姿勢がみられらかどうか,価値観がわれわれと類似しているかどうかといったことから決まってくるということです.ただし,どの要因が重要であるかは,状況によって変わってくるのです.その詳細はぜひ本書を読んでからにしてください.
     本書では,実証に基づき,断定的にモノを言うことなく,慎重に記述されています.本書を読むと,筆者は専門的能力が高く,公正で誠実であることがよくわかり,信頼できます.そして,私自身とも価値観が類似していると思われ,「安心」することができました.私自身,大変勉強になった本です.ぜひ読んでみてください.

  • 速水敏彦 2006 他人を見下す若者たち 講談社現代新書 756円
     本の帯に「自分以外はバカの時代!」とあるので,かなり過激な内容かと思ったのですが,地道な研究成果に基づいた論考です.本書では,「仮想的有能感」という概念を提唱しています.他者を低く見ることによって自分を優れた人間だと仮想的に思ってしまうということです.
     人間誰だって,自分のことを優れた人間でありたいと思うのは当然です.本来は,成功経験や他者から認められることによって,自尊感情が高まり,自分を優れた人間だと思えるのでしょう.ところが,青年期にある若者は,なかなか成功経験を持てませんし,叱られることはあっても褒められないため,自尊感情が高くなりません.そこで,他者を低く評価することによって仮想的な有能感を高めてしまうのでしょう.
     この図式は現代だけに固有のものではなく,また,若者だけの問題でもないでしょう.ただ,現代は人や社会との関わりを持たなくても有能感を高めてくれるものが溢れており,仮想的有能感が高くなりやすいということもあるでしょう.私自身も,場面によっては仮想的有能感が高くなっていることがあるような気がします.本書を読んで,自戒を促されました.
     本書に対するamazonのレビューは酷評されているものが多かったのですが,実際に読んでみると,実証的なデータに基づいたもので,それほど批判されるものではありません.あとがきで著者は謙遜されていますが,仮想的有能感は,説明概念としてはうまく使えるような気がします.

  • 菅原健介 2005 羞恥心はどこへ消えた? 光文社新書 735円
     なぜ,人は恥ずかしがるのでしょうか.よく考えてみると不思議なことです.人間はいろいろな感情を持っていますが,それらは人間の行動をコントロールするのに役立っているはずです.恥ずかしいという気持ちは,自己への警告だと筆者は述べています.
     ただ,その警報装置がどのような状況で働くのかはそう単純ではありません.筆者が行った最新の研究を交えながら,ジベタリアンや車内化粧の解明まで行っています.とても面白い珠玉の一冊です.ぜひ読んでみましょう.

  • 竹内 一郎 2005 人は見た目が9割 新潮新書 714円
     本書は,著者自身が関わっている舞台や漫画において,ノンバーバルコミュニケーションがどのように利用されているかを述べたものです.こう言ってしまうと安っぽい本に聞こえてしまうのですが,決してそうではないのです.
     ノンバーバル行動として,舞台俳優がどのような演技をすべきなのか,漫画でどのような表現をすべきかの実践は,ある意味では,舞台の観客や漫画の読者を被験者とした「実験」を行っているようなものです.その演劇や漫画に多くの人の支持を得ることができれば,それは,登場人物の気持ちや考え方が理解できたことになるでしょう.つまり,現実の世界で,それらのノンバーバルコミュニケーションが有効に使われていることの立証につながります.
     気楽にも読めますし,上記のような視点で読むことも興味深い1冊です.
     ただし,本書のタイトルの根拠になっていると思われるメラービアンの研究成果に誤解があります.本書では,他人から受け取る情報の割合のうち話す言葉の内容は7%に過ぎないと書いてありますが,メラービアンの論文に書いてあるのは,「情報」ではなく「impact」とか「feeling」という表現になっています.

  • 相川充 2001 反常識の対人心理学 生活人新書(NHK出版) 680円
     常識的に考えていた対人的な関わり方が,心理学から学問的に見ていくと,必ずしもいいやり方ではないことがたくさんあります。一方で,経験的に感じていたよい処し方が,学問的に裏付けられることもあります。いろいろな対人心理学のトピックスの話が出てきて,とても面白い一冊です。わかりやすく,気軽に読める対人心理学の入門書です。

  • 山岸俊男 2002 心でっかちな日本人−集団主義文化という幻想− 日本経済新聞社 1,400円
     日本人の「心」は集団主義だと思われていますが,本書では,相互依存関係からもたらされた相補均衡状態だという考え方です。各個人の「心」に焦点を当てるのではなく,他者との関係の中で形成されてきたものだという考えです。社会心理学者らしいアプローチで,それを洗練された社会心理学の実験で実証しているのはとても見事です。
     実験室でなされる社会心理学の実験から,文化論まで発展して話ができるのは,山岸先生だからでしょう。雇用問題の話や進化心理学的な話まで幅広い議論がなされています。社会心理学に興味がある人はもちろんのこと,文化,進化,雇用といったことに興味ある人にもお薦めの書です。

  • 白石崇 2002 LoveとLikeを見分ける方法−3万人のWEBマガジン・心理学ショートショート厳選コラム− 数研出版 1,150円
     インターネットで有名なメールマガジン「心理学ショートショート」が書籍化されたものです。本のタイトル「LoveとLikeを見分ける方法」だけからは,どんな内容かわかりづらいかもしれませんが,社会心理学の実験を誰にでもわかるように書かれた本です。まったく堅苦しさがなく,コラム風に身近な話から入って,社会心理学の実験を紹介したものです。実験の説明にも手を抜くことなく,実験条件をきちんと整理して書いてあるので,アカデミックでもあります。気軽に読める上に,社会心理学の実験を理解できるので,お薦めです。

  • 齊藤勇 2001 自己チュウにはわけがある−対人心理学で分かったこと− 文春新書 690円
     とても面白い本でした。対人心理学の面白いところが随所に出ています。著者自身の「自己」を引き合いに出しながら書かれているところがとてもユニークで,読む側も自分はどうだろうと考えてしまいます。それがいっそう楽しく読ませてくれます。
     面白いだけではなく,対人心理学の実験によって実証されているところがアカデミックで,対人心理学をこれから学ぼうとする人には最適の本だと思います。ただし,対人心理学の実験って面白そうだからやってみようと軽々しく思ってはいけません。本で紹介されるような実験はうまくいった実験ばかりで,その裏には失敗した実験は山のようにあります。きちんと方法論を学習した上でやらないといけません。さらに勉強したい人は,齊藤先生が編集された「対人心理学重要研究集」(誠信書房)を読むことをお勧めします。

  • 山岸俊男 2000 社会的ジレンマ−「環境破壊」から「いじめ」まで− PHP新書 660円
     多少の不便を覚悟して,マイカーに乗らずバスなどの公共交通機関をみんなが利用すれば,交通渋滞から解放されます。しかし,そんなときに,マイカーに乗れば,マイカーに乗った人は得をします。だからといって,われ先にとみんながマイカーに乗ってしまうと,また渋滞を引き起こして,みんなが不利益を被ることになってしまいます。自己犠牲を伴って協力すれば,みんなが幸せになれるのですが,自分の利益だけを考えて,協力を惜しむ者が出てくると,みんなが不幸になってしまいます。このような状況が社会的ジレンマです。
     非常に面白い本でした。私たちの生活の中のさまざまな現象が社会的ジレンマで説明できてしまうのも納得できました。社会心理学の面白さはこういうところにあるんでしょうね。そして,社会的ジレンマがこれほど奥が深いものとは知りませんでした。
     とくに興味深かったのは,インセンティブと限界質量の考え方です。社会的ジレンマを解決するのに,個人の愛他心に頼るのではなく,社会として,みんなが協力するような仕組みを作ることの大切さを考えるということです。そしてひとたび,一部の人が協力しない方向に流れてしまうと,地すべり的にみんなが協力しなくなるのです。アメとムチの論理といった学習の理論だけでは説明ができないダイナミズムが存在するところが興味深いところでもあり,いろいろな社会問題がすぐには解決できない難しさがそこにあるのだと思い知らされました。

  • 今井芳昭 1996 影響力を解剖する 福村出版 1,800円
     副題に,「依頼と説得の心理学」とあります。人に物事を頼んだり,説得したりするというのは,他者に対して影響を与えようとすることです。影響力の問題を,非常にわかりやすく整理して書かれています。もともと,人が人に対して影響を及ぼすということは,社会心理学の基本的なテーマでもあります。したがって,社会心理学の中の多くのトピックが取上げられており,社会心理学の入門書としても好適の本です。非常にわかりやすく,読みやすくかかれています。私も,大阪からの新幹線の中で読んでしまいました。
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