ガンダムseed パチンコ やめどき

推薦図書 2023/11/17 更新

私が読んだ本の中から推薦できる図書を紹介しています

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最近読んだ本    は1カ月以内


  • 樋口智巳 2023 映画館を再生します。 小倉昭和館、火災から復活までの477日 文藝春秋
     この本を手にしたのが2023年11月17日。著者から献本いただいた。その日のうちに読み終えてしまい、この文章もその日のうちにアップした。
     2022年8月、小倉の旦過市場が火災にみまわれ、老舗の映画館・昭和館も焼失してしまった。今や映画はシネコンやサブスクの時代となり、もはや街の映画館の再建は難しいのではと思っていた。それが、2023年12月に奇跡の復活をすることになった。その復活までの道のりを昭和館・館主の樋口さん自身が綴った本である。
     若い頃、映画は映画館で見るものだった。今のようにシネコンがなかったので、どの映画館もそれぞれの趣きをもっていた。見た映画の内容は忘れてしまっても、映画館の雰囲気や自分がどの辺りに座ったかなどが思い出される。話題の新作を封切り直後に見に行って、立ち見で見たこともあった。広い映画館に観客が数えるほどのときもあった。
     旧いものが見直されつつある。そして、それを支えてくれる多くの人がいる。その支援のもと、昭和館が再生する。ただ、再生への道のりは平坦なものではなかった。館主の樋口さんのさまざまな思いが伝わる本である。

  • 廣末登 2023 闇バイトー凶悪化する若者リアル 祥伝社新書
     学生が特殊詐欺に関わったという話をよく耳にします。なんでそんなことするのだろうと思っていましたが、本書を読んでなるほどと思いました。経済的に恵まれていない学生は少なくありません。SNSでのバイトの誘いに簡単に乗ってしまい、一旦沼に入ってしまうと抜けられなくなってしまうのです。そして、警察に捕まってしまうのは、末端で捨て駒として使われている闇バイトに関わった者だけで、それを操っている悪の根源はなかなか捕まらない構図となっています。
     本書では、被害に遭う人たちのことも書かれています。被害に遭わないために何を心掛ければよいのかが本書を読んでいてわかるのですが、巧妙化された手口では、だまされていると自分ではわからず冷静な判断ができなくなってしまうのでしょう。
     闇バイト、詐欺の被害者、いずれも弱い立場の人間を食いものにする悪がはびこる世の中には、やるせない気持ちになってしまいます。
     著者から寄贈いただいた本ですが、廣末さんだからこそ著すことができたお薦めの本です。

  • 柿埜真吾 2021 自由と成長の経済学 「人新世」と「脱成長コミュニズム」の罠 PHP新書
     本書は、『人新世の「資本論」』を批判するような形で書かれています。実際のところ、どちらが正しいのかはわからないのですが、ここまで完膚なきまでに論破されると読んでいて痛快さを感じます。
     小学6年生の頃、東西冷戦真っ只中だった(と思う)のですが、私はなぜかソ連派でした。社会主義で皆が平等になるほうがいいと思っていたのです。小学生の坊主が考えることですから明確な根拠もなく、ひねくれ者だったからかもしれません。
     しかし、その後、やっぱり資本主義のほうが豊かになると考えるようになり、中学生の頃は、小さな政府であるべきだと考えていたように思います。ソ連が崩壊し、ベルリンの壁がなくなるなど、歴史的事実として社会主義は成功していません。プーチンのウクライナ侵攻は最後のあがきにさえ見えてきます。
     読んでみると、面白い本です。

  • 渋谷ゆう子 2023 名曲の裏側ークラシック音楽家のヤバすぎる人生ー ポプラ新書 890円+税
     天才的な音楽家の私生活は破天荒だ。ややステレオタイプだが、才能もない凡人のやっかみかもしれない。優れた才能を持った人でもどこかにアラがあると思いたい。でもそれが逆に遠い存在だと思われる音楽家を身近に感じられるから不思議だ。
     本書でユニークなのは、取り上げた音楽のQRコードが付されていて、サブスクからすぐに聴くことができる点だ。クラシックの名曲もこうして聴いてみると新鮮な感覚になる。
     本書は「クラシック音楽家のやばすぎる人生」を描いているが、面白いのはその文章表現だ。軽妙なテンポで、次から次へと機関銃のように裏表のない赤裸々な表現が飛んでくる。他人のスキャンダルはメシウマかもしれない。文春砲も真っ青だ。でも、そこには稀代の音楽家に対するリスペクトがある。その破天荒な生き方がなければ数々の名曲は生まれなかったかもしれない。
     この推薦文は本書の表現に倣って書いてみた。むずかしい。もう限界だ。だんだん息苦しくなってきた。とにかく面白いので一読あれ。

  • 芳賀 繁 2020 失敗ゼロからの脱却 レジリエンスエンジニアリングのすすめ (角川学芸出版単行本) Kindle版 872円
     失敗を教訓に活かすことは重要なことです。ただし、失敗をゼロにするために、新たな手順を加えたり、マニュアルでやるべきことを厳密に定めても、想定外のことが必ず生じます。マニュアル通りに行うことがかえって危険になってしまうこともあります。
     あらかじめ決められた手順によって失敗をゼロにしようとするのではなく、そのときの状況にうまく対応して問題回避をめざすという発想の転換が必要です。その考え方がレジリエンスエンジニアリングです。
     本書は、「はじめて最初から日本語で書かれた、レジリエンスエンジニアリングの入門書」と紹介されています。これまでのレジリエンスエンジニアリングに書かれた書籍は翻訳ばかりで、難解な点も多く、私自身途中で読むのをやめてしまったこともあります。しかし、本書は、さまざまな事例に基づいて紹介されており、難しい概念も読書の視点に立ったわかりやすい解説がなされています。ぜひ読んでみてください。

  • マシュー・サイド 2016 失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織 ディスカヴァー・トゥエンティワン Kindle版1,986円
     原題はBlack box thinkingです。飛行機にはブラックボックスがあり、事故を起こしたとき、会話の記録や様々な飛行記録をもとに分析を行い事故原因を探る文化が根付いています。失敗を教訓に活かす文化です。そのときに大事なのは、失敗した当事者を罰してはいけないということです。人は罰を避けるためにミスを隠してしまいます。そうすると、真の原因を調べることができなくなってしまうのです。
     また、本書では、偏見に左右されず明確なエビデンスで分析する必要性も強調されています。ただし、明確なエビデンスが出され、自分が考えていた結論が間違っていることがわかっても、人間は最初に信じこんでしまった信念を変えることができません。間違いを認めず、正しいと信じ込んでしまう人の心理についてもするどく考察されています。
     抽象的な話ではなく、様々な事例を取り上げられ、具体的に述べられています。非常に読みやすく、専門的な知識がなくても読むことができます。おすすめの本です。
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